ダイエットの秘訣(続):リバウンド撃退

ダイエットの秘訣(続):リバウンド撃退

好評だったので、ダイエット話の続きをさせて頂きます。

実は最近気がついたことがあります。
前回、ダイエットの秘訣は脳に自分のなりたい体重を信じ込ませること、と書きました。
確かにこれは事実なのですが、もう一段カラクリがありました。

一つ例を挙げてご説明します。

ここにAさんがいるとします。
現在の体重は54kg。
10年前の体重が48kgで、あの頃は自分でイケていた、と思うので48kgを目指すとします。
そうなると、48kgの自分が自然だと自分の脳に思い込ませようとします。
具体的には、48kgの自分が、着たいと思っていた服をオシャレに着こなしている姿をイメージしたり、やせたおかげで異性にもてるようになったり、パートナーに褒められたりすることをイメージします。
この時のコツは、
(1)一人称でイメージすること。つまり、自分の目線で見ることです。外から自分を見ているのではなく、自分が外の世界を見ていて、周囲の世界の中に48kgの自分がいるというイメージです。
(2)視覚だけでなく、五感を使って臨場感たっぷりにイメージします。音や温度、触覚や味覚などを総動員するのです。着てみたいオシャレな服の肌触り、あなたを褒めてくれる人の声、街の風などをイメージ上でリアルに感じるようにするのです。

こうして、そのイメージづくりが上手にできると、ある時、脳がだまされ始めます。
「あれ、自分は48kgだったのかな?」と。
そのまま続けてうまく脳をだますことに成功すると脳は自分が48kgだと信じてその状態を実現しようとして自然に食欲がなくなったり、運動したくなったり、おやつを食べたくなくなったりします。
そして、徐々に体重が落ち始めて48kgに近づいて行きます。

そして、そのまま48kgを達成してめでたくダイエット完了、となるわけです。

ところが、結構多くの場合、このあとでリバウンドします。
当然リバウンドのメカニズムも簡単で、上記の例の場合は、少なくとも最近数年間は54kgだったわけで、脳はこの状態にホメオスタシスを感じています(この状態が普通だと思っている)から、48kgは居心地が悪くて元に戻りたいわけです。
結果、先ほどやせていったときと逆に、なぜか食欲がわいて、なぜか運動が億劫に感じて、なぜかおやつが無性に食べたくなるのです。
こうして54kgに戻ります。

では、ここで疑問です。
戻るなら、なぜダイエット初期にすぐに54kgまで戻らずに、一旦48kgを達成した後にリバウンドが始まって、54kgに戻ってしまうかです。

結論から言うと、「目標がなくなってしまったから」だと思います。
より詳しく言うと「48kgという高い目標掲げていた間は、現状とゴールの世界の間のギャップが大きくて、ゴールを実現するためのエネルギーが生じてゴールまで到達したけれど、48kgを実現した後には現状とゴールのギャップがなくなってしまったためにエネルギーがなくなってしまい、それ以前に数年間54kgであったために出来上がっていたコンフォート・ゾーンの力の方が優位になり、そちらに徐々に引きつけられ、最終的には元の現状に戻ってしまった」ということだと思います。

もちろんこれを解決する方法はいくつかあります。
例えば、48kgを達成したあとも臨場感を維持するイメージを続ける。すでに現実世界も48kgなので、比較的容易だと思います。54kgの世界に引っ張られないぐらい強くイメージを続けるのです。

あるいは、48kgの自分が当然のように活動をしている世界をイメージし、その中で実際に活躍するということ。モデルさんなどがめったに太らないのも、周囲の世界との関係で「あなたはスタイルがいい人」と定義づけられているので、自分の都合が太るわけにはいかないからです。
仮に少し太ってもすぐに元に戻るのです。
これは、本人の力というよりも周囲の力です。
人は周囲との関係で定義づけられますので、周りの人やもの(洋服など)があなたのことを「スタイルがいい人」と定義している場合、そこから逸脱するには相当のエネルギーが必要になります。
脳的に言えば、太る方が難しい状態にあるのです。
その状態を作り出してしまうのが最強のリバウンド防止法です。

いかがでしょうか。
リバウンドの理由と解決法について書かせて頂きましたが、お役に立てば幸いです。

今日も最後まで読んで頂きましてありがとうございました。