コーチの役目

コーチの役目

コーチには、クライアントには見えていないものを見えるようにする、という役目があります。

認知科学によると、実は人間は過去に自分が見たことがあるものしか認識することができません。
今見えているものは、過去に自分が見てきたものの集合体なのです。
見たことがないものは心理的盲点に隠れ、気づきもしません。

例えば、会議室にある壁に埋め込まれたホワイトボードを見たことがない人は、そこに文字を書いていいとは気がつかないはずです。
書いていいとわかるのは、過去にホワイトボードに書き込んでいるのを見たことがあるからのはずです。

このように見たことがないものは見えない以上、どんな人にも見えないものがたくさん存在することになります。

では、コーチはなんでも見えないといけないのでしょうか?

もちろんそんなはずはありません。
コーチがクライアントを手助けできるのは、誰もが心理的盲点を抱えていて見えなくなっていることがたくさんある、とことを熟知している、という一点においてです。
クライアントに、あなたには見えていないものがあるはずだと、そうとは言わずに気がつかせるのがコーチの大事な仕事なのです。

コーチングではここで言う心理的盲点のことを、スコトーマと呼んでいます。

クライアントのスコトーマを外すのはコーチの大事な役割の一つなのです。