「現状を超えたゴール」を持つと会社を辞めてしまう?

「現状を超えたゴール」を持つと会社を辞めてしまう?

いきなり結論ですが、私は経営の要諦は人材の活性化にあると考えています。

私自身の人生のゴールに合致しますが、全ての人が自身の能力を最大限に発揮して満足して過ごしている状態が組織の中で実現できれば、否が応でも組織の業績は伸びていきます。

ですので、私が提供する経営コンサルティングは、コーチングと密接にリンクしています。
パーソナル・コーチングをベースにした経営コンサルティングということになります。

そこで、一つ課題なのは本当に「現状を超えたゴール」を設定すると、ある割合の人は、いま所属している組織では自分のゴールを達成できないことに気がついて辞めてしまいます。
大体その割合は構成メンバーの10%程度です。
コンサルティングとしてそれでいいのか、という問題があります。

ところが、この心配は杞憂にすぎないのです。

なぜなら、その人が辞めても組織のパフォーマンスは伸びていくからです。
「いやいや、優秀な人材から辞めていくから戦力は落ちるはず」と言う方もいるかもしれません。
たしかにその通りなのですが、その考えでは残った人の能力がアップするということを忘れてしまっています。
つまり、「現状を超えたゴール」を設定することで、一人がやめても残った5人、10人の能力が高まるので組織の総合力は高まるのです。

かつては社員が会社の外に目を向けないように様々なことをしたようですが、21世紀にはそういったことは逆効果です。
むしろ、「どんどん外を、遠くを見なさい。そしてこの組織とゴールを共有できると考えたなら、ここで一緒に頑張りましょう」という方が、社員ははるかにモチベーションが上がり、能力も高まります。

このアプローチはコーチング理論的にはもちろん正解で、私自身もこの方法でいくつもの組織で成果を上げてきました。

組織を率いている方はぜひ、部下が辞めることを恐れずに「現状を超えたゴール」に向けて導いてあげて下さい。
そして、どなたも自分が今いる組織で不満に感じることを避けるためだけに、「現状を超えたゴール」を持つことを避けるのはやめたほうがいいと思います。
組織を超えてゴールを持ち、そのうえでいまの組織にとどまりたいと思うならそれは最高にハッピーな事なのです。