「速く読むにはどうしたらいいでしょうか?」

「速く読むにはどうしたらいいでしょうか?」

昨日、「どうすれば速く読めるようになりますか」という質問を受けました。
英文を速く読むという話ですが、実際にはどの言語においても同じですので、日本語の文章でも同じように考えていいと思います。

私が10数年間、色々と試した結果、結局3つの条件が揃った場合にはその時点での最高の速度で読めると感じています。
その3つとは、

1.読む内容に対して、基礎知識がある。
2.読む内容に対して、興味がある。
3.速く読む必然がある。

なーんだ、というような答えですが、結局はこの3つが揃わないと速く読むことは難しいようです。

1の基礎知識がある、というのは、読む対象に対してゲシュタルトができているということです。
読んでいきながらある程度階層的に理解していかないとスピードは上がりません。
基礎知識がない分野だと、図を書きながら読むしかない場合もありますが、その場合はどうしても遅くなります。

2の興味がある、は言わずもがなでしょうか。
関心がない内容を速く読むのは至難の業です。

3も重要です。
結局速く読もう、という意思が重要です。
走ることを考えても同じですが、速く走ろうと思わなければスピードは上がりません。
もちろん、力みすぎると走るのも、読むのもかえって遅くなります。うまく力を抜く必要があるでしょう。
とはいえ、意思は極めて重要です。

その他には、文章の種類ごとにコツを押さえるのも重要です。
例えば、MBAの授業では数多くのケース(特定の企業や組織について分析したレポートのようなもの。学習用の教材として欧米の一流大学で作成されていることが多い)を読みますが、実はちょっとしたコツがあります。

具体的には、これは押さえたほうがいい、という内容をしっかりと見ていくことです。
年代、経営者の名前、地名、製品・商品の名前、パーセンテージ、金額などの具体的な情報を、確実にプロットしていきながら読むのです。
私もようやくコツをつかんできたところなので大きなことは言えませんが、間違いなくこの方法は機能します。

とはいえ、こういったちょっとしたコツもあるものの、本質は上の1~3だと思っています。

結論は、意思と興味を持って幅広く読むことが速読の一番の方法なのでした。
私も速読のテクニックは幅広く使えますが、結局はテクニックではなく、意思と興味だと思います。