どれだけ進んだか

どれだけ進んだか

子供の頃から人と比べられて生きてくると、どうしても「どこまで行ったか」で比べて勝った負けたの勝負を無意識でやってしまうようです。

「自分は自分」とか「ナンバーワンよりオンリーワン」と言うような言葉が意味を持つのは、裏を返せばどれだけ私たちは周囲と比べる考え方にどっぷりつかっているかを如実に表している気がします。

やめたいと思っても簡単には止められないかもしれません。心の奥底に染み込んでいるからでしょう。別の言い方をすれば潜在意識に入り込んでいるのです。周囲と比べて自分を測ることが。

確かに自分を定義しようと思っても、周りからしかできないことに気がつきます。
つまり「私」について説明しようとしても、「××の息子の」「××の会社に勤める」「××に住む」などと自分の外の情報を語ることでしか自分自身を説明することはできません。
それは「私」という存在が他者の存在によって定義されるということです。

ただ、そこで周りを比べて優劣をつけることはないと思うのですが、子供の頃からあまりに比べられるのに慣れてしまっていて、それ以外の方法で自分を考えられないようになってしまうこともあるようです。

私自身は、この数年間苦労を重ねたおかげで「どこまで到達したか」ではなく「どれだけの距離を進んだか」という観点で考えるようになってきました。
「到達した地点」で見るとぱっとしない感じでも、実はとんでもない距離を進んできている人がけっこうたくさんいます。
最近はそういう人を見るとわかるようになってきて、ただただ頭が下がります。心から尊敬します。いや尊敬という言葉すらおこがましくてなんと言っていいかわからないのが本音です。

日本人はとてもいい考え方を持っているので、もっといい世の中になるポテンシャルがあると思っています。その一つの方法として「くだらない競争をやめる」必要があると思っているのですが、何かいい方法を考えないとと思います。