実際の私

実際の私

最近になって出会う方は現在の私を主に知っているので実際以上に高く評価してくれることが多いのですが、正直に言ってついこの間までの私はかなり苦労をしていて、たくさんの悩みに囲まれて暮らしていました。

買いかぶってくれる方の中には私が東大を卒業していることも評価してくれている方もいますが、私自身は「宝くじに当たる人がいる」のと同じように試験に合格したと感じています。
実際、学業よりも興味があることがあって卒業には5年を要しましたし、経済学部でしたが卒業する頃に経済を分かっているというようなことは決してありませんでした。

どちらかと言うと頑張ったのは卒業してからで、生活のためにたくさんの本を読んで、独学で営業、経営戦略、財務、会計、マーケティングなどを学び、実践しました。
この頃の自分は確かにがむしゃらに学んでいました。

とは言え、同級生たちは一流企業や役所、あるいは司法や会計の専門分野で仕事の基本を叩きこまれていた時期ですので、自分がみんなと同じ程度に力をつけることができていたかどうかは分かりません。

そうして20代も半ばを過ぎてそろそろ夢の実現は難しいかなと思い始めた頃には、事業経営の方に関心が移っていましたので、幸いそのまますんなりとビジネスマンへの転身を図ることができました。

当時は小さな会社を営みながら生計を立てていたのですが、30歳になった時に「このまま行くとずっと小さな会社のオヤジで終わる可能性があるな」と思って一念発起して会社勤めをすることにしました。
ところが世の中それほど甘くなくて、新卒で就職したことがない私はほとんどの企業で門前払い。
紹介会社のリクルート・エージェント(当時はリクルート・エイブリック)にまで「ご紹介できる企業が極めて少ないので」という理由で登録をお断りされてしまいました。

最初は若い方に職歴や希望の仕事を話していたのに、途中で定年間際と思われる年配の方に交代して丁重に断られました。
世の中厳しいものです。

幸い、楽観的な私はそれなら、ということでインターネットを通して多数の企業に応募して、書類選考すら通らないまま時間が立ちましたが、粘り強く会社を探してついには従業員50名ほどの創業5年ぐらいのベンチャー企業に入ることができました。

これらは全てつい6年ほど前の話です。
こんな経験をしていますので、新卒一括採用に乗れなかった場合にどれくらい不利になるかは痛感しています。
私の場合、20代に会社を運営していたのにも関わらずそのことはなかなか評価されませんでしたので、いかに社会が固定化していたかが分かります。
今なら少しは違うかもしれませんが。

また、その頃は日常生活でも苦労は多く、強いストレス環境の中でうまく自分と折り合いをつけられず、イライラした日々を過ごしていた記憶があります。

会社員としての暮らしについてはここ5年間で2社を経験していますが、その間にも多数の失敗を重ね、挫折の数を数えると結構な数にのぼります。
いちいち気にしていられないので反省したら先に進んでいますが、そんなこんなで現在の私がいます。

※どうやって人生の向きを変えたかについては、次の機会に書かせていただこうと思います。