文明を生んだ力

文明を生んだ力

人間の本能として現状を維持したいというメカニズムがあります。
もちろんこれは人間だけでなく動物の本能です。
現状が安全ならばその現状を維持することが生存につながるからです。

この本能から逃れることは極めて難しいですが、私たち人間はそれを成し遂げて現在の水準にまで文明を高めてきました。

もちろん多くの問題をも巻き起こしてきましたが、それはさておいて、なぜ人間は現状を超えることができたのでしょうか?

実は、ごくごく単純なメカニズムが働いたからだと思っています。
そのメカニズムとはゴール設定です。
それも現状をはるかに越えたゴール設定です。

かつて、フォード社の創業者ヘンリー・フォードが帝国を築いた後にこう豪語したと聞いたことがあります。
「私は法則を見つけたので、仮に今までに築いたものを失っても5年で今と同じものを作り上げることができる」

本当に5年で同じレベルまで築き上げることができるかどうかは別としても、言いたいことは分かるような気がします。
ゴール設定の力を確信しているということだと思います。

もちろん、現状をはるかに越えたゴールを設定すると、強い現状維持のメカニズムが働きます。
それを乗り越えるのはいつもお伝えしているように、ヴィジュアライゼーションの力です。
脳は一つしかフレームを選ぶことが出来ないので、現状よりも強く現実感を感じられる世界が存在すればそちらが現実だと錯覚してくれます。
そうなると、その別の現実を維持しようとして、現状維持のメカニズムが働きます。
放っておいても現状から離れて、その別の現実に吸い寄せられていきます。

これがフォードが語った法則であり、現在の文明を築き上げた人類の力の源だと思います。
法則自体も簡単ですし、実践も簡単です。

その力を、私たちもぜひ活用したいものだと思います。