頼りになる部下を育てる考え方とは?社長の右腕の育成方法

頼りになる部下を育てる考え方とは?社長の右腕の育成方法

社長をしていると「右腕」がほしいと思うようになります。
自分には苦手分野があるということに気がつくからです。

何でもできるわけではないことは分かっていたつもりですが、仕事がガンガン回るようになってくると、どうしても人の助けが必要だと感じるようになります。

そこで、自分の人脈の中から「右腕」を務めてくれる人を無意識で探し始めます。
時には意識的に探し始めるかもしれません。

人材紹介会社を活用する人もいるでしょうし、転職していったかつての部下に声をかける人もいます。
しばらく努力を続けると、「右腕」候補が決まり、入社します。

念願の「右腕」が入ったので社長は大喜びです。

 

ですが、実際のスタートはここからです。

社長と「右腕」が本当にいいチームになるのには、お互いの忍耐と長い時間が必要だからです。

理由の1つは、「入社してくれるまではお客としてもてなし、入社後には部下になるから」です。
お客としてもてなしている期間は、特別扱いになります。
しかし、ひとたび部下になったら他の社員の手前、そこまでの特別扱いはできなくなります。

また、他の理由としては、上司部下という関係を続けるうちにその状態が双方のコンフォートゾーンになり、入社前の対等な関係が維持できなくなることがあります。
そもそも入社してもらったのは「社長の自分と同じ目線でものを見てくれる面白い人物」だからなのであって、部下として言うことを聞く人が欲しかったわけではないはずですが、どうしても部下らしく振る舞ってしまう「右腕」になってしまいます。
社長の顔色をうかがい、アイディアが出なくなります。

対策としてはこうです。

部下なので過剰な特別扱いをする必要はないですが、目線だけは社長と同等かそれ以上であり続けるように「右腕」に促します。
「右腕」の方には最初からその能力はあるので、実践可能です。
これで「右腕」の目線が下がってしまう問題は解決です。

 

それができると次の課題が出てきます。
「社長は自分が一番じゃないと気が済まない」です。
実はこれが社長と「右腕」が苦労する最大のテーマです。
いいチームになるために忍耐と時間が必要となる理由です。

そもそも、人の言うことを聞きたくない人が社長になります。
創業した場合も、出世した場合も、様々な困難を乗り越えて社長になっている人は、基本的に「人の言うことを聞くのは嫌」な人達です。

ですが、社長が上手に「右腕」の才能を引き出して彼もしくは彼女が活躍しだすと、社長の地位はおびやかされるようになります。
「右腕」の人は社員の評判がいいことも多く、社長よりも人気が出ることすらあります。
こうして「右腕」の発言力が高まってくることが社長はおもしろくありません。
せっかくの「右腕」の活躍に水をさすようなことを始めてしまいます。

言うまでもなく、「右腕」の才能を上手に活用するのが社長の務めです。

最初に戻ると、自分で全部できないから「右腕」を必要としたのですから、どんどん活躍してもらうようにさらに応援することが必要です。

多少面白くなくても、「右腕」の活躍を応援します。
これを続けていると、しばらくして「右腕」も他の社員も、社長の懐の広さを感じるようになります。
そして社長を尊敬するようになります。

ここまで辛抱するのが「右腕」を受け入れる社長の務めであり、その期間は必ず1年以上かかります。
個人的な経験で言えば、2~3年かかると思っていると良いと思います。

その前に双方の辛抱が切れて、せっかく入った「右腕」が辞めてしまうと、また最初からやり直しになります。

そしてこれを3回位繰り返すと「右腕」を受け入れること自体を諦めてしまいます。

本当に頼りになる「右腕」を手に入れて育てるには、長い目で将来を見据える必要があります。
「右腕」を手に入れるのはなかなか難しいものなのです。

でも、今日書いた点に注意していただければ、頼りになる「右腕」の獲得は不可能ではありません。

社長には、ぜひ最高の「右腕」を手に入れて、一緒に事業を成長させて行って頂きたいと思います。