妙な共感: ストックホルム・シンドローム

妙な共感: ストックホルム・シンドローム

ストックホルム・シンドロームという言葉をご存知の方も多いと思います。
以前、スウェーデンで起きた人質事件で、長期に渡って人質となった人たちが犯人たちに好意的な感情を抱き、最も極端な例としては、人質の女性の一人が犯人と結婚してしまったというような、非常時においては、場を支配されている人が、場を支配している人に対して好意的な感情を持ってしまうことが多いという心理学上のセオリーのようなものを表します。

最近の例では、東日本大震災直後に民主党の枝野官房長官が再三テレビの中継で状況報告を行っていた際に、彼がほとんど睡眠をとらずにフラフラになりながら会見を行っていた場面で、多くの国民が枝野氏に好意的な感情を抱き、「頑張れ枝野さん」というような雰囲気になったのも一つの例です。
国民が強い不安を感じていたので、その状況下で体を張って目一杯仕事をしていた枝野さんを頼もしく感じたのだと思います。
(肝心の管さんがあの状況でむしろ評価を下げていたのは、あまりにも話が下手だからだと思います)

リビアでも同じことです。
カダフィ氏は、あれでも結構国民の支持を受けているはずです。
これも長い間恐怖で支配を続けていたために、国民の間にそういった特別な感情が育っているからです。

強い支配は、奇妙な共感を生みます。
そういった不思議なことがしばしば起こるということを知っておくだけで、ものの見え方が変わってくると思います。

今日も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。