英語のプレゼン:準備について

英語のプレゼン:準備について

プレゼンテーションを行う際、できればスクリプト(原稿)を用意して、できれば練習をしてから本番に望んだほうがいいことは、きっと多くの方が理解されていることと思います。
日本人の私たちが英語でプレゼンを行う場合には、なおさらそうです。

でも、時間がない、面倒くさい、というのが主な理由でなかなか実行までこぎつけません。
あるいは、最初のうちは用意していたけれど、準備が少なくても大体何とかなってきたので、最近は出たとこ勝負になってしまっている、という方もいるかもしれません。

この件に関して以前にも書きましたが、私自身はプレゼンに関しては可能なかぎりしっかりと準備をすることをお勧めしています。
ですが、私も今のように徹底するようになったのは、以前勤務していた会社のCEOが取締役会に対するプレゼンテーションを1日使って練習しているという話を聞いた時からです。(従業員10万人のアメリカの会社のCEOです)
そういったリハーサルを”Dry run”というらしいのですが、本番の会場で、時間帯を揃えて徹底して行う姿を思い浮かべて、自分ももう少し徹底しないといけないな、と思ったものです。
私は20代の頃にロックボーカルをやっていてライブの前にはリハーサルを行っていたのですが、まさにその感覚に近いものでした。

その話を聞くまで、自分はキャリアの半分は営業をしてきましたので、正直に言うと自分のプレゼンテーションには結構自信がありました。
営業の成績もとても良かったですし、お客さんの前で心をつかむようなフレーズをパッと思いついて実際に話してみると「久野さん、それいいですね!そのキャッチ行きましょう」とか言われたことも何度かありました。(広告の営業をやっていた時のことです)
他にも数百人の前で講演をしたことも多く、そういう時は手ぶらで本番に臨んで周囲の人に驚かれたものです。

また、極めつけは、自分が話したいことが色々とあるものだから、自分の結婚式の披露宴の司会を自分でやったこともあります。
結婚式会場の方からは前代未聞だと言われましたが、お世辞も入っていたのだとは思いますが、出席者からの評判はまずまずでした。

そんな風にそこそこ話せるかな、と思っていた私ですが、真剣に練習しているCEOの姿を思い浮かべるとそれまで自信を持っていたことが恥ずかしくなって、もっとレベルを上げないといけないな、と考えるようになりました。

そこで、CD BOOK 外資系の英語プレゼンテーション (アスカカルチャー)という本を購入して勉強してみました。
もちろん読むだけでは力がつかないので、可能なかぎりプレゼンの機会をつくり、練習をして場数を多く踏むようにしました。

今の会社で最初にプレゼンをしたのは、私が転職で入社した2ヶ月目に来日したCEOの前でした。
その時の上司に、「やってみますか?」と聞かれて「はい、やってみます!」と答えたのを覚えています。
それはそれは緊張しました。
まだ会社のこともビジネスのことも何も分かっていなかったのですから。
でも、1日の猶予があったので、必死で資料を作って、原稿を書いて、練習して練習して、当日の15分間のプレゼンを何とか乗り切りました。
入社2ヶ月目ですから「まだちょっと難しいです。」と言っても誰も文句は言わなかったと思いますが、私にとってはこういった機会こそが自分を伸ばしてくれる場だと思っていたので「やります」と言いました。
準備している間は、やめておけばよかったかなー、とも思いましたが。

自分にとってプレゼンテーションはライブで歌を歌うようなものなのかもしれないと思うこともあります。
1回1回が真剣勝負だと思っています。
聴衆に伝える機会は1度しかないと思っているので真剣に準備をします。

きっと読んでくださっている方の中には、そこまでやるのは大変だな、と思う方もいるかもしれません。
それは個々人のスタイルと判断だと思います。
ただ、どうやら西洋人、特にアメリカ人はプレゼンテーションを非常に重んじているように感じます。
一回のプレゼンで「あいつできるね」と認められて引き上げられるという話も聞きます。
逆もしかりです。
プレゼンが下手だと本当の実力を理解してもらえないことも多いでしょう。

ビジネスでプレゼンをする機会が多い方は、そのことを頭の片隅にでも置いておいて頂くといいかもしれません。

今日も読んで頂きましてありがとうございました。