すでに知っていることを何度もなぞる私たち
このところ経営者の話を聞く機会が多くて大変いい勉強になっています。
ここ1ヶ月半で7人ほどのタイプの異なる方の話を聞く機会に恵まれましたが、皆さん個性が違って興味深い話ばかりでした。
どなたもキャリアという意味で大きな成功を実現された方たちで、自信に満ちているのを感じることができました。
畑の違う方たちの話を聞いているうちに、話の聞き方について一つの発見がありましたのでお伝えしたいと思います。
よく「誰からでも学ぶことができる」という趣旨のことを聞くことがあります。
私もまさにその通りだと思います。
私たちはすでに知っていることを、改めて聞いて、それをなぞって満足する傾向があります。
似たような本を何冊も読んで「大体知っているな」「そうそう、自分も分かっている」というような自己満足に陥るのが一例です。
その一方で、自分が知らない話、畑違いの話だと、聞いても読んでも全く頭に入って来ず、つまらなく感じます。
そして寝てしまいます。
これは、脳はすでに知っていることを探しているからだと言われています。
脳は「知っていること」「関心があること」を追いかけているので、本を読んでも話を聞いても、自分が知っていることばかりが目(耳)について、「ああ、自分は分かっているな」となるのです。
これは脳の実態ですので仕方ないのですが、この方法だと実にもったいないことは言うまでもありません。
私達が知っていることはごくごくわずかで、知らないことをたくさん見逃していることになるからです。
自分が知らないことを見つけるために、昔から「いい本は7回読め」と言われています。それだけ読めば、さすがに見逃していることにも気がつき、その本から十分に吸収できるからだと思います。
現実に7回はなかなか厳しいですが、本当にいい本はどんなに少なくても3回は読まないといけないでしょう。
私も7回以上読んだ本から学んだことは体にしみついています。
きっと皆さんも同じ体験を持っていると思います。
先入観を捨て去ることができた瞬間に、大きな飛躍のチャンスが巡って来るのです。