錦織選手の活躍を支えるコーチングの力
テニス全米オープンでの錦織選手の決勝進出で日本中が湧いています。
素晴らしい活躍で日本人として誇らしく思いますが、躍進の裏には新しいコーチの力があるそうです。
昨年12月に就任した新しいコーチはマイケル・チャン氏。往年の名選手で、アジア人として4大大会を制した唯一の人だと記憶しています。
コーチは一人ではなく、チームで行うので、チャン氏はコーチチームの一員に加わったということです。
コーチと言っても、錦織選手はトップ選手ですから、技術、体力、食事、メンタルなど様々なコーチがそれぞれついているかもしれません。
その中でチャン氏の役目は何だったのでしょうか。具体的にはわかりませんが、少なくとも私が注目するのは、チャン氏が就任する前と、最近の錦織選手のコメントの違いです。
就任前は、錦織選手のコメントで「トップテンの壁は厚い」というものがあるのを聞いたことがあります。
すでに素晴らしい活躍をしていた錦織選手も壁を感じていたのでしょう。
しかし、最近のインタビューでは「どの選手にでも勝てる気がする」と話しているのを見ました。
半年強の期間で技術がそこまで伸びる可能性もないわけではありませんが、この変化はマインドの使い方の違いによるものと考える方が自然です。
私たちのコーチングの用語でいうなら「エフィカシーが上がった」ということです。
エフィカシーとは「自分のゴールを達成出来るという、自分の能力に対する自己評価」のことを言います。
錦織選手の場合、恐らくチャン氏と時間を過ごす中でエフィカシーが飛躍的に高まったのでしょう。
エフィカシーが高まると、持っている能力を最大限に発揮できるようになります。
今の錦織選手はその状態なのだと推測します。
この状態で試合に臨めば、勝敗には時の運があるとしても、素晴らしいプレーを決勝戦でも披露してくれることと思います。
私たちに夢を与えてくれる活躍に感謝するとともに、決勝戦でのご健闘をお祈りします。