チョムスキー

チョムスキー

ノウム・チョムスキーという学者をご存知でしょうか?

極めて卓越した思想家であり、言語学者として知られているMIT(マサチューセッツ工科大学)の教授です。
『シカゴ・トリビューン』紙では、チョムスキー教授を「現存する思想家の中で最もひんぱんに発言が引用されている人物」だと紹介したそうです。

この方の社会に関する思想、発言は大変興味深いのですが、今日は、大変高く評価されている言語学者としての主張に言及したいと思います。

チョムスキーは、人間には生得的に文法能力があると主張します。(普遍文法)
どんな人でも、生まれた地域の言語の複雑な文法をごく自然に習得できる能力を持っているという考えです。

例えば、ごく一般的で誰もが正しいと思う文章でも、実は複雑な文法的なルールによって成り立っています。
ごく幼い子供ではその文法を類推するだけの経験がないはずなのに、大人に囲まれて真似をしているうちに、実にやすやすとそういった文章を作り上げることができるようになります。

チョムスキーは文法に関しては、学習の結果ではなく、人間の生まれつきの能力によって誰もが身につけられるものだと主張しているのです。

これは極めて合理的な考え方で、言語習得に関する考え方として現在はかなり広く支持されているようです。

このチョムスキーの理論は、英語学習に極めて重要な視点を提供してくれます。

それは、英文法を勉強してもあまり意味がない、ということです。
つまり、人間には文法を自然に身につける能力が備わっているのであれば、一番いい方法は子供が言語を習得するのと同じような形で英語に接するのが一番いいということになります。
SVOとかSVCなどといった、文法の勉強よりももっといい方法があるのです。

その典型的な方法が、昨日もご紹介したDVDを利用した学習法です。
具体的な方法は3月18日のブログでご紹介していますのでぜひご覧頂きたいと思いますが、一度、簡単にでも理論的な背景を説明しておきたいと思って今日はチョムスキーの話をさせて頂きました。

奥が深い世界ですので、機会があるときにまたご説明させて頂きたいと思います。