謙遜の日本語と誇りの英語
日本語と英語の違いはたくさんありますが、その中で目につくものの一つに謙遜を表す表現の多寡があります。
ご存知の通り、日本語には謙遜や謙譲を表す言葉が多くありますが、英語にはほとんどありません。
日本語の例を挙げれば、以下のように本当にたくさん出てきます。
・僭越ながら~
・ふつつかものではありますが~
・若輩者の私ごときが~
・つまらないものですが~
・手前味噌ですが~
一方、英語ではほとんど見かけません。
唯一思いつくのが、
・with all due respect
ぐらいです。
これは、「お言葉を返すようですが」とか「失礼ながら」と言って反論をするような場面で使う言葉なのですが、実は私も実際の生活で目撃した記憶がありません。
私が大好きな「24」で、誰かが大統領(!)に反論する時に使っているのを何度か聞いたぐらいですので、よほどの場面・相手で使うのだと理解しています。
このように、日本語と英語では感覚が決定的に異なります。
先日見た邦画の「ダーリンは外国人」という映画でも、結婚した女性の母親が娘のことを「ふつつかな娘ですが」「こんな娘をもらって頂いて申し訳ない」などと言っているのを聞いて主人公のアメリカ人が怒ってしまって「そんなことを言うなんてひどい!」という場面があるのですが、これなどまさにその典型だと思います。
誇りを重んじる西洋人にとっては理解できないことなのだと思います。
私は英語を書いたり話したりするときには、謙遜は捨てて自信満々にふるまうようにしています。
下手に謙遜の表現を加えると聞いている人は不思議そうな顔をしています。
きっと言いたいことが理解できないのでしょう。
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