英語のプレゼンをホームで行う

英語のプレゼンをホームで行う

英語でのプレゼンは「突然」やって来ることが多い。
それが私の経験です。

どれくらいが「突然」なのかは意見が分かれるところでしょうが、まあ早くて1週間前に知らされるぐらいでしょうか。
「来週、○○さんが来るのでプロジェクトの進行について簡単にプレゼンをしてもらえますか」などと上司から言われる感じです。

プレゼン慣れしていて「20~30分位ならいつでもOK!」という状態の方であれば1週間もあれば十分なのですが、最初はそうはいきません。
まず、資料作りでプレゼンの前日までかかってしまい、ろくに話す練習も出来ないのが通常です。

そんな場面を少しでもうまく切り抜けるにはどうすればいいか。
それが今日のテーマです。

最初にお話ししないといけないのは、残念ながら魔法の杖はないということです。
1.伝えたい内容をしっかり考える。
2.その内容をしっかりと資料にまとめる。
3.適切な表現を選んで、原稿を書く。
4.時間が許す限り声を出して練習し、必要があれば暗記する。
5.予想される質問に対する回答を準備して、話す練習をする。

こういった基本的なことに時間をかけた分だけ、いいプレゼンになります。

そしてもう一つ、こういったことを可能なかぎり行う前提で、少しでもいいプレゼンにする方法がありますので、それをご紹介します。

まず、重要な前提として、人は誰でも自分が一番快適に感じる空間(これをコンフォートゾーンと言います)でこそ力を発揮できる、ということをご理解下さい。
スポーツの試合で、ホームのチームが圧倒的に有利で、アウェー、しかも慣れない外国だと本来の力を発揮するのが難しくなることが典型的な例です。

そこでイメージして頂きたいのが、ご自分がプレゼンをする場面です。
その状況はホームですか?それともアウェーですか?

ほとんどの人がアウェーだと感じると思います。
それもとびっきりのアウェーだと思うはずです。
サッカーに詳しい方はご存じでしょうが、かつて、サッカーの日本代表が中東ではなかなか力を出せず苦戦していたことがあります。
皆さんのプレゼンもそういった状況に近いのではないでしょうか。

では、どうすればいいのでしょうか?
実は単純なのです。

プレゼンの場面をホームにしてしまえばいい。
事前にその場面をイメージしつくして、何度も経験した場面にしておくのです。
イメージの中で。

脳は鮮明にイメージした内容を、現実と区別することは出来ないと言われていますので、あなたがプレゼンしているときのことを鮮明にイメージすることができていれば、ホームにいるのと近い状態で力を発揮できるのです。

もちろん、これは有名なイメージトレーニングの手法です。
一流のスポーツ選手であれば誰でも行っていますし、そのことを知らない人も少ないと思います。
ただ、ビジネスの現場で、自分がプレゼンを行う立場に立っているときに、実際に活用している人がどれだけいるでしょうか?

やればプラスになる、ということは知っているけれど、実際にはなかなかやってみていない人は多いと思います。
ですが、プレゼンを行なっている時のことを事前に脳に体験させるのは、本番でのパフォーマンスを高める上で、絶大な効果がありますので、ぜひチャレンジしてみて頂きたいと思います。

この話は「プレゼンは場数」という考えとも一致します。
数をこなせば、プレゼンの場がホームになるのです。
ただ、誰にとっても初めてはあります。
だから、鮮明にイメージするのです。

最後に、本番のことをイメージするときには、必ず「1人称」でお願いします。自分の目線で聴衆を見てください。
話をしている自分を外から見るのではない、ということに留意して下さい。
それさえ意識して頂ければ、それほど難しいことはありません。