<二代目、三代目社長のための新規事業立ち上げについて> Vol.1
ご存知の方も多いかと思いますが、私はCEOコーチング®というブランドのもとで多くの経営者にマンツーマンでコーチングを行っています。
その中で様々な経営者と出会いますが、今日は、意外と知られていない二代目、三代目社長の悩みに光を当てたいと思います。
親御さんが会社をやっていて、それを継ぐことができるというのは、会社勤めの方にとっては「うらやましい」ことだと映るかもしれません。
ましてや、それなりに成功している会社を継ぐことができるのは幸運だと思う人がいるのも気持ちとしてはわかります。
中小企業であっても収入や社会的地位(特に地域での)は高めになりますので、幸せな暮らしが待っているようにも見えるものです。
ところが、意外と知られていないのですが、実は、会社を継ぐというのはかなり大変なことなのです。
かなり、かなり大変です。
そんなことを多くの二代目、三代目社長と接してきて日々感じています。
以下、大変な点をいくつか箇条書きで挙げてみたいと思います。
- 創業者(たいてい父親)が作った文化の中に入っていって、自分の色を出しながら、創業者を慕って長年働いてきた年上の部下を率いないといけない(場合によってはその年上の部下にかつて「おしめ」を変えてもらったことがある 笑)
- 社内でステップを踏んで昇格していないので、社長を継いだ後に自分の知識・経験・スキルが求められる仕事に対して足りていない
- いつも創業者と比較されて不要なプレッシャーがかかる
- そもそも小さめの企業なので、経営は安定しておらず、景気や業界動向、規制の変化によって売上も利益も大きく変動するので、経営そのものが大変
- 幹部を含めたスタッフのレベルが、自分が期待する水準より低い場合が多く、育成に苦労する
- 優れた人材を外部から採用しようとしても、会社の知名度が高くないため「採用力」が低く、思い通りの人材を獲得できない
- 仮に業績が安定していても、継いだ側からすると、今までと同じことをやっていてもあまり面白くない
これに加えて、 「社長」として背負うべき責任があります。
- 従業員の生活や取引先のために会社をつぶしてはならない
- 行政機関や金融機関と上手に付き合って指導を受けたり、融資を受け続けたりする必要がある
- 業界団体の交流も無視することができない
- 地域の商工会議所やロータリー、ライオンズクラブ、青年会議所、あるいは町会や商店街などの付き合いも無視はできない
収入が少し高いぐらいでは割が合わないかもしれない、と感じる場面もあります。
実は、これに加えて
- 相続、事業承継の問題
これも創業者と跡継ぎの間で調整が必要となる問題であり、すでに後継者が決まっていても、兄弟姉妹がいる場合にはいろいろな気遣いも必要となってきます。
お金や地位を挟んで、家族の中で向き合わないといけないため、上手に進めないと争いの火種となってしまいます。
もちろん相続税の問題もあります。
いかがでしょう。
二代目、三代目社長ってなかなか大変でしょう?
私の父はサラリーマンでしたので、継がなければいけない会社やお店があるわけでもなく、自分の選択で会社を立ち上げたり、会社勤めをしたり、また会社を立ち上げたりすることができて、本当に幸運でした。
責任感が強いので、もし継がないといけない何かがあったらかなり悩んだと思います。
それはさておき、実は、このように悩みが多い二代目、三代目社長の課題を解決する方法が一つあります。
それは何かと言うと「新規事業の立ち上げ」です。
自分がやりたい事業を立ち上げて、そこで成果を出せば、おしめを替えてもらった重鎮もついてきてくれるようになります。
創業者が作ってきたものを捨てるわけではないので、経営も安定しますし、創業者ともうまくやっていくことができます。
何よりも、自分が選んでやっていることなのでとても前向きに取り組むことができます。
そんなわけで、コーチングの中で私もしばしば「新規事業の立ち上げ」の相談をいただきます。
日によってはほぼその話だけしかしていない場合すらあります。
私もこのアプローチは大賛成ですし、一緒になって「新規事業立ち上げ」の応援をして時には出資まで行うこともあります。
そうこう考えているうちに、私がこの分野でかなり経験を積んでいることに気がつきまして、本格的に『二代目、三代目社長のための新規事業立ち上げ』を考えていく段階に入ったのかな、と思いました。
実は、この『二代目、三代目社長のための新規事業立ち上げ』の中身について書こうと思っていたのですが、社長の悩みについて考えているうちにかなり長くなってしまったので、今日はここまでとして、具体的な話は次回以降に書かせて頂ければと思います。
長々とお付き合い頂き、ありがとうございます。
続きを書きますので、また次回、よろしくお願いいたします。