「フィードフォワード®」と「フィードバック」を比べてみて

「フィードフォワード®」と「フィードバック」を比べてみて

<前回 からの続き>
前回は「フィードバック」が難しい、認知科学的な理由についてお伝えしました。

「フィードバック」の代わりに、私が提案する「フィードフォワード」の定義は以下の通りです。

「未来に目を向けることを前提に、現状にとらわれてしまいがちな部下や後輩、配偶者や子供に対して、コミュニケーションや観察を通して相手の状況を把握し、相手に起きている出来事やそれにともなって体験している感情を受け止めた上で、その人が自分のゴールに意識を向けて行動することができるように促す技術のこと」

フィードフォワード」が「フィードバック」に対して勝る点は多数あります。

一覧できるように表にまとめました。

主なものとして、未来への推進力が強化される点、ゴールが定まっていない状態でも前に進むことができる点、誰に対してでも実施できる点、などが挙げられます。

フィードフォワード」によって個人、組織ともに高いパフォーマンスを上げることができるようになります。

 

  フィードフォワード フィードバック
目的(ここは共通) 未来の改善 未来の改善
起点 未来 過去
成果 未来の記憶作り 「失敗」の追体験・臨場感強化
脳内の状態 前頭前野の活動が活発化
(大脳辺縁系よりも)
大脳辺縁系の活動が活発化
(前頭前野よりも)
脳内状態 前頭前野へのドーパミン放出 ノルアドレナリン増加
ドーパミン抑制
ゴール ゴールが定まっていなくても
使える
ゴールがあることが前提
実施する相手 誰にでも行える 上下関係がある方が安全
得られるもの クリエイティブな発想
ハイパフォーマンス
思考の抑制
低いパフォーマンス
当事者心理 楽しい/嬉しい 苦しい/つまらない

フィードフォワード」を行うのはとても簡単です。
未来に目を向けられるような言葉がけを行うだけです。

自分以外の誰かに語りかけるなら、

  • 「これからどうしますか?」
  • 「次は何をしたらいいでしょうね?」
  • 「大きな夢はなんですか?」
  • 「今後どこまで行きたいですか?」
    などと未来のことを考えるきっかけを与え、

自分に語りかけるのなら、

  • 「これからどうしようか?」
  • 「私は(僕は、俺は)どうしたいんだろう?」
  • 「こんなときはどうしたらいいのかな?」
    と自分が未来に目を向けられるように言葉がけを行います。

 

この「フィードフォワード」という考え方を普及させたくて、一般社団法人フィードフォワード協会、という法人を立ち上げて代表理事に就任しました。

http://feed-forward.or.jp/

 

今後、「フィードフォワード」の普及に力を注いでいきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願い致します。