PDCAが回らない理由とは?フィードフォワード・アクションで成果を出す方法
PDCAが大切だと言われても、実際にはなかなか回らない。
そう感じたことはないでしょうか。
計画を立てる。実行する。チェックする。改善する。
理屈としては、とてもよくできています。
私自身もMBAで経営を学び、経営の現場にも長く関わってきました。また、ISOの認証機関で仕事をしていたこともあり、PDCAが本来目指しているものは理解しています。
それでも、実際の現場ではPDCAはなかなか回りません。
その理由は、PDCAが私たちの意識を過去に縛りつけやすいからです。
目次
PDCAが回らない最大の理由
PDCAの本来の目的は、改善を通じて良い未来をつくることです。
しかし実際には、C、つまりCheckが強く働きすぎます。
「何が悪かったのか」
「なぜできなかったのか」
「どこを改善すべきなのか」
こうした問いは必要な場面もあります。しかし、意識的に過去を振り返り続けると、人は過去の失敗や不足に意識を取られやすくなります。
これは、フィードバックによって人が過去にとらわれ、未来を築きにくくなるのと同じ構造です。
PDCAは未来をよくするための仕組みであるはずなのに、実際の運用では過去の確認にエネルギーを使いすぎてしまうのです。
Planにも落とし穴がある
PDCAのもう一つの問題は、P、つまりPlanです。
計画を立てること自体は悪いことではありません。しかし、Planという言葉を聞くと、多くの人は現状からの積み上げで考え始めます。
今ある人材で何ができるか。
今ある予算でどこまでできるか。
今の延長で、どれくらい改善できるか。
このように考えると、最初から現状の範囲に未来が収まりやすくなります。
ゴールドビジョンやフィードフォワードで大切にしているのは、現状の延長ではなく、先に未来を置くことです。
PDCAに変わるFFAプロセス
そこで私が提案しているのが、フィードフォワード・アクション、つまりFFAプロセスです。
FFAプロセスとは、
フィードフォワード → アクション
を繰り返す進め方です。
PDCAが「計画して、実行して、チェックして、改善する」流れだとすれば、FFAは「未来を置き、行動し、その中で無意識の調整を起こしていく」流れです。
PDCAとFFAの違い
| 観点 | PDCA | FFA |
|---|---|---|
| 出発点 | 現状や過去の問題 | 未来のゴール |
| 意識の向き | 過去の確認に向きやすい | 未来に向く |
| 改善の起点 | Checkによる振り返り | 無意識の振り返り |
| 行動の質 | 計画に縛られやすい | ゴールに向かって動きながら調整する |
| 人の状態 | have-toになりやすい | want-toを引き出しやすい |
ここで大切なのは、FFAが振り返りを否定しているわけではないということです。
FFAでは、意識的に過去を掘り返すのではなく、ゴールを設定した状態で行動することによって、無意識の振り返りが自然に起こると考えます。
FFAプロセスの流れ
FFAプロセスは、次のように進みます。
1. ゴールを設定する
最初に、現状の延長ではないゴールを置きます。
「何を改善するか」ではなく、
「本当はどこへ向かいたいのか」
「どんな未来を実現したいのか」
から始めます。
このゴール設定によって、脳はその未来に必要な情報を探し始めます。
2. 脳が無意識に振り返る
ゴールを設定すると、脳はそのゴールに照らして、今の行動や環境を自然に見直し始めます。
これは、会議で反省点を並べるような意識的な振り返りとは違います。
行動している最中に、
「ここを変えたほうがいいかもしれない」
「このやり方ではゴールに合わないかもしれない」
「次はこうしてみたい」
という気づきが自然に浮かんでくる。
これが無意識の振り返りです。
3. アクションを取る
気づいたことをもとに、すぐに行動します。
FFAでは、考え続けることよりも、ゴールに向かって動きながら調整することを重視します。
アクションを取ることで、また新しい情報が入り、さらに無意識の振り返りが起こります。
4. ゴールを見直しながら進む
FFAでは、ゴールは固定された計画表ではありません。
行動しながら、より大きく、より鮮明に、より本当に望むものへと更新されていきます。
ゴール設定、無意識の振り返り、アクション。この流れが繰り返されることで、今までのPDCA思考では想定できなかったスピードで前に進むことができます。
FFAは仕事にも使える
フィードフォワードは未来ばかりを見るので、個人の人生にはよくても、仕事には使いにくいのではないか。そう感じる人もいるかもしれません。
しかし、実際には逆です。
仕事こそ、未来から考える必要があります。
商品開発、営業、組織づくり、人材育成、会議、評価面談、経営判断。どの場面でも、過去の反省だけでは新しいものは生まれません。
未来に向けたゴールを設定し、その未来に近づくために行動し、行動の中で無意識に調整していく。
この流れは、AI時代のプロセス改革にも合っています。
フィードフォワードを組織で活用する方法として、フィードフォワード型1on1も注目されています。
PDCAが有効な場面もある
ここで誤解してほしくないのは、PDCAそのものを全否定しているわけではないということです。
製造業の品質管理やISO認証など、正確性や安定性が強く求められる領域では、PDCAが有効な場面もあります。
ただし、これからの時代に必要なのは、PDCAをそのまま使い続けることではありません。
PDCAの中にもフィードフォワードの仕組みを組み込み、過去の確認に縛られず、未来へ進む力を取り戻すことです。
まとめ
PDCAが回らない理由は、Checkによって意識が過去に縛られやすく、Planによって現状の延長で考えやすくなるからです。
フィードフォワード・アクション、つまりFFAプロセスでは、まずゴールを設定します。そして、無意識の振り返りとアクションを通じて、未来へ向かって進んでいきます。
大きな成功を成し遂げている人は、過去を反省し続けているのではありません。未来を置き、その未来に向かって行動しながら、自然に調整しています。
これからの仕事、経営、組織づくりには、PDCAだけではなく、フィードフォワード・アクションという新しい進め方が必要です。
フィードフォワードの考え方を経営に活かしたい経営者の方は、CEOコーチングもぜひご覧ください。




