誰にでもできるフィードフォワード

「フィードフォワード」のありがたいところはいくつかあります。

その一つが「ゴールがなくてもできる」ところです。

そしてもう一つ助かるのが、「比較的簡単」なところです。

ご説明します。

(1)まず、「ゴールがなくてもできる」についてです。

コーチングは基本的にはゴールがあって機能するものですが、ゴールが見つかっていない人も多いので、

一般的には、ゴールを探す過程まで含めて、「コーチング」と呼ぶようになっています。

 

ですが、現実には「オリンピックに出たい」とか「経営する会社を上場させたい」とか明確なゴールがあればこそコーチングは効果を発揮します。

「特に目指すものはないけれどなんとなくコーチングを行う」というようなことはできないのです。

 

企業で部下にコーチングを行おうとしても難しいのはこのためです。

部下がゴールを持っていなければ、ゴール探しからスタートです。

でも、そう簡単にゴールなんて出てきません。

そして、お互いに苦しい面談の時間になります。

 

パーソナルコーチングという分野で、夢や目標(要するにゴール)がある人が自分でお金を払ってコーチングを受ける場合にはこの点は全く問題になりません。

 

ですが、組織で部下の方がゴールを持っていることはあまり多くなく、仮に持っていても上司がそれを把握していることはほとんどありません。

さらに、部下が「出世したい」というゴールを持っていても、直属の上司に「あなたよりも上に行きたい」とはなかなか言えない、という現実的な話もあります。

「将来は独立起業したい」という夢について話すのも簡単ではないはずです。

 

フィードフォワードならゴールがなくても行えます。

そして、確実にパフォーマンスが改善します。

ですから、コーチングの前にまずはフィードフォワードから、というのが私の提案です。

 

(2)もう一つあります。フィードフォワードは簡単です。

やってみたことがある方はおわかり頂けると思いますが、コーチングというのはかなり難しい技術です。

 

ちょっとやってみて出来るようになるものでもありません。

見よう見まねで鮨を握ってみても、お寿司屋さんで食べるのとは似ても似つかないようなものになってしまうのと同じように、効果があるコーチングができるようになるには上司としての経験と、コーチングに関するトレーニングが必要です。

フィードフォワードはコーチングの中の、「最も重要で効果が高い部分を抽出した概念」です。

たった一言の「フィードフォワード」の中に「コーチング」の全てが凝縮されて詰まっています。

 

ですので、理屈を深く理解していなくても、そしてそれほど練習しなくても効果が出ます。

 

まずは効果が出ることが大事だと思いますので、「フィードフォワード」を使ってみて、その上でさらに上手に自分自身や組織を伸ばしていきたい方が「コーチング」を掘り下げていく順番で良いのではないかと考えています。