ストーリーとしての競争戦略:2回目のご紹介

ストーリーとしての競争戦略:2回目のご紹介

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)は本当に優れた本だと思います。

以前にも一度ご紹介しましたが、次の仕事に向けてもう一度勉強しようと思って読み始めたところ、前回同様止まらなくなってしまいました。
(ぴったり)500ページの大作なのですし、内容をきちんと吟味しながらなのでなかなか進まないのですが、決して途中でやめたくなることはありませんでした。

(平行して、半沢直樹を3冊続けて読んでしまったので、このところ結構本を読んでいました。こちらは2冊目と3冊目は1日ずつ睡眠を削って読みきってしまいました。ドラマは見ていなかったのですが、これは面白いですね!)

一応、私は競争戦略が専門で、職業上も常にそのような役回りを担っていますし、Strengths Finderでも受験した2回とも強みの1位にStrategic=戦略性が来た男です。
ですから、企業戦略や競争戦略の話を見聞きしても、それほどびっくりすることはないのですが、この本で語られているコンセプトは、実にユニークで感心します。

もちろんこれまで各方面で散々学んできた種々の経営理論やフレームワークのどれとも矛盾するわけではなく、歴代の大御所が言ってきたことを、ガバっと風呂敷で包んで持ち運び可能にしたような感じです。
持続的競争優位の源泉として、Strategic Positioning(ポーターの5Force寄り)、Organizational Capability(バーニーのVRIO寄り)、をきちんと押さえた上で、さらに上に行くには何が必要かを歴史的な成功、失敗を丁寧に比較しながら述べています。
SPとOCの上に何が乗っかってくるのか、さらに何をすればいいのかは本に譲りますが(簡単に説明できるのですが、それは推理小説の犯人を言うようなものであまりに野暮すぎますので)、そこで語られる内容は間違いなく正しく、過去の自分の成功、失敗と照らしても全くその通り!というような感じです。

500ページですが、とても面白いです。 本気でビジネスをやっていて、営業、マーケティング、戦略、などをやっている方もちろんですが、他の業務を担当していても将来マネジメントの役割を担って行きたい方にはぜひお薦めしたい一冊です。